障がい者の就労支援を行うセルフ・エー株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:大島公一)は現在、就労継続支援A型事業所を中心に53事業所を展開し、約1,500名の障がい者雇用ネットワークを構築しています。2012年に最初の事業所を開設して以来、6年間で13.5倍の規模に伸ばしてきました。

生産活動として多くのA型事業所で取り組む「喫茶店・レストラン」について、セルフ・エーグループの実例をご紹介いたします。

 

 多彩な働き方が広がる、A型事業所の現状

NPO法人就労継続支援A型事業所全国協議会が2017年8月に発表した調査報告書にて、A型事業所の自主事業をまとめています。それによると、生産活動内容としては「農業(16.9%)」が最も多く、次いで「喫茶店・レストラン(10.2%)」「弁当・配食・惣菜(9.0%)」「菓子製造(7.3%)」など、「仕入物販(6.4%)」が続きます【図1参照】。セルフ・エーグループでも、利用者たちそれぞれが持っているスキルを活かし、多様なジャンルの仕事に対して自分のペースで取り組んでいます。
「セルフ・エー」グループの事業所でも、自主事業としてのレストランの可能性を開拓しながら、活動の幅も拡大し続ける『カフェ&ダイニングバー さぼーる』。その開店準備や運営に関するノウハウは、グループの各事業所にも共有され、他事業所からも「飲食店に取り組みたいので参考にさせて欲しい」との声が上がっています。

 

 オープンから1周年のカフェ&ダイニングバー

「セルフ・エー」グループの「self-Aアドバンフォース勝田、ひたちなか」(茨城県ひたちなか市)   では、新たな挑戦として2018年4月に『カフェ&ダイニングバー さぼーる』をオープン。同年7月から、A型事業所が運営するレストランとしては珍しく、ディナータイム(18:00~22:00)の営業も開始しています。オープンにあたってはコアスタッフ(利用者)⼀⼈ひとりが持つ多様なスキルと、多事業展開している強みを活かし、内装⼯事からホームページ制作(http://saball.jp/)、メニュー作成、チラシ印刷とポスティングまで⾃分たちで⾏いました。また、来店者に満⾜してもらうために、空き時間にはコアスタッフの接客シミュレーションを繰り返すことで、サービス向上に励んでいます。『カフェ&ダイニング バー さぼーる』は、2019年4月までの1年間で約5,000人の方に利用いただきました。7月からはお弁当販売を開始し、現在メニューの試作・試食を繰り返すなど、利用者にとって新たな“働きがい”が生まれています。
さらに、メニュー開発やキャンペーン企画など、より多くの⽅に店を知ってもらうべく試⾏錯誤を繰り返し、実⾏してきました。その結果、活動の場は店外にも広がっています。今年3月には、地元商店街のイベントに出店。初の屋外出店ということもあり、利⽤者・スタッフ共に焦りと不安のなか当⽇を迎えましたが、結果は⾒事完売。事前準備で社内試⾷会を⾏い、当⽇来場されるファミリー層を想定したメニューで挑戦した結果だと考えています。この経験も踏まえ、次なる挑戦として8月には国内最大級のロックフェスティバル「ROCK IN JAPAN」への出店を予定しています。今後も、店舗だけでなく積極的にイベント等にも出店することで、イベントに合ったメニュー開発なども積極的に取り組んでいく予定です。

セルフ・エーグループの各事業所では、全国53事業所と約1,500名の障がい者就労ネットワークのスケールメリットを活かし、コストパフォーマンスの高い仕事を請け負いつつ、新たな仕事を生み出していきたいと考えています。当グループではこれからも、障がい者にも働く喜びと達成感を感じてもらい、誰もが“働く仲間”として活躍できる社会を創造していきます。

 

【図1】


NPO法人就労継続支援A型事業所全国協議会をもとに作成